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2026.09.17

休んだ期間の長さは取り返せない?|2つの研究が見つけた、その不利を和らげていたもの

「休んでいる期間が長くなるほど、戻りにくくなる気がする…」休職が続いている中でそう感じている方も多いのではないでしょうか?

休職して休んでいる分、自分の席が遠のいていくような…そんな感覚になる日もあるかと思います。周りは進んでいるのに自分のところだけ時間が止まっているように見えてくる、という方も多いと思います。

今日は2つの研究をもとに「休職が長引いた影響を軽減できる要因について」を一緒に見ていけたらと思います。

休んでいた時間の長さと、それを軽減していたもの

2026年、Journal of Occupational Rehabilitationという職業リハビリテーションの専門誌に、韓国の研究チームによる研究が掲載されました。ここで見ているのは、療養が長引いたときに何がその影響を軽減できていたのか、という点です。

労災保険のパネル調査のデータを使った研究で、2018年から2022年までの14,607件の観測が分析されています。調べているのは、自己効力感と自尊感情が復職とどう結びついていたかという点です。

そして分析の結果は、次のようなものでした。

  • 自己効力感・自尊感情が高いほど復職しやすかったこと

  • 療養期間が長いほど復職の確率は下がっていたこと

  • その長さの不利が、自尊感情の高い人では軽減していたこと

つまり療養が長引くこと自体は復職を遠ざけていた一方で、自尊感情が高い人ではその影響が弱まっていた、という形になります。

その「やれそう」は、職場の側からも育っていた

2025年、Frontiers in Rehabilitation Sciencesというリハビリテーション科学の専門誌に、サウジアラビアの研究チームによる研究が掲載されました。こちらは本人の中ではなく、職場の側から何が届いていたのかを見たものです。

業務に関係する傷病から復職した従業員370名への調査になります。

  • 「職場から支えられている感覚」

  • 「職場の文化のあり方」

  • 「人事の仕組み」

  • 「心理的エンパワメント」

これらが復職とどう結びついていたかを見る手法で調べています。

(心理的エンパワメントというのは「この仕事は自分にとって意味があって、自分にはやれて、自分も影響を及ぼせている」という感覚のことです)

そして研究チームが報告していたのは、次のようなことでした。

  • 「心理的エンパワメント」が高いほど、復職と結びついていたこと

  • 「人事の仕組み」が整っているほど、復職とも心理的エンパワメントとも結びついていたこと

  • 「職場の文化のあり方」も、復職と心理的エンパワメントの両方に結びついていたこと

  • 「職場から支えられている感覚」は、人事の仕組みと心理的エンパワメントを通して届いていたこと

こうして2つを並べてみると、復職を後押ししていたのは「自分はやれそうだ」という本人の中の感覚でした。

そしてそれは自分自身で持ち上げるものではなく、職場からの支えや仕組みを通って育っていたものでもあった、ということになります。

休んだ期間の長さが気になって、戻ることを考えるたびに苦しくなる…そんなときは一人で抱え込まずに、作業療法士と一緒にいまの状態を整理してみるのも一つです。

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休職中の今からできる3つのこと

1. 「できた」の記録を、小さい単位で残しておく

自己効力感は気合いではなく、やれた経験が積み重なって育っていくものだと言われています。なので行動のハードルの方を小さくしておきましょう。

例えば「今日は10分散歩した、昼に洗濯を回せた…」このくらいの大きさでメモに残しておくと、後から見返した時に十分な自己効力感の材料になります。

2. 支援の場で「自分が決めたこと」を一つ持ち帰る

心理的エンパワメントは、自分も影響を及ぼせているという感覚から育っていきます。だからこそ面談や診察を、決めてもらうだけの場では終わらせないでおきたいところ。

「次はここまでやってみます」と自分の言葉で一つ置くだけでも、面談の意味が少しずつ変わってきます。

こうして決めたこと自体が次の面談で話す材料になって、支援の場に自分の輪郭が残っていきます。

3. 長引いていることと、自分の価値を切り離しておく

研究で休職の長さによる影響を軽減していたのは、自尊感情の方でした。つまり休みが長いこと自体より、その休職長さをどう受け取っているかのほうが効いていたことになります。

「復職の期間が長引いている自分はだめだ」と浮かんできたら「確かに復職は長引いている。それとは別に自分には価値がある。」と、文を二つに切ってみるのはいかがでしょうか。

無理に自分を褒める必要はなく、二つの話を一緒にしないでおくだけでも構わないと思います。

まとめ|休んでいる時間の長さが、この先を決めていたわけではないこと

ここまでの2つの研究が言っていたことを、もう一度並べてみます。

  • 韓国の研究では、自己効力感と自尊感情が高い人ほど復職しやすく、自尊感情は療養が長引いた影響まで軽減していた

  • サウジアラビアの研究では「やれる」という感覚が復職と結びつき、職場からの支えや仕組みはその感覚を通して効果があった

一方で、どちらもメンタル不調による休職だけを取り出した研究ではなく、日本の職場で同じ数字になるかどうかは分かっていません。

それでも「休職期間が長くても、諦める必要はないこと」があり、いま受け取っている支えは自分の中の力に変わっていくものなのだと思っています。

長引いていることに焦っている今の気持ちも、抱えたまま支援の場に持っていってよいものだと思います。

よければ参考にしてみてくださいね。

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参考文献

Park, H., & Lee, K. (2026). Self-Efficacy and Self-Esteem Predict Return to Work and Buffer the Impact of Treatment Duration: A Longitudinal Panel Study. Journal of Occupational Rehabilitation. https://doi.org/10.1007/s10926-026-10428-1

Tawfig, N., Farsi, S., Lary, A., & Aggad, K. (2025). Measuring the influence of perceived organizational support, organizational hierarchy culture, strategic human resource management, and psychological empowerment on the return to work. Frontiers in Rehabilitation Sciences, 6, 1679281. https://doi.org/10.3389/fresc.2025.1679281

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